百合を全く知らないオタクが映画『あさがおと加瀬さん。』を観に行った話

 ネタバレが嫌な人は読まない方がいい。

 

 映画行こうや、と誘われると興味のないものでも行く行く!と返事してしまう。今回『あさがおと加瀬さん。』を観に行ったのも同じ理由で、私は百合に関する知識(?)がないのにのこのこ観に行った。百合といっても、ミリオンライブ!のボイスドラマ『虹色letters』程度しか分からない(識者に言わせたら百合じゃないと言われるかもしれんな)。

 百合が好きなオタクは自分の周りに多い。しかしなぜ私は百合にハマっていなかったのかというと、単なる偏見のせい。二次創作の百合を読んで首をかしげて、それ以降は興味も示さなくなってしまった。つまり、お世辞にも傑作とは言い得ない作品を読んで「百合は私の好みではない」という結論を出してしまっていた。もったいないことだ。ミステリというジャンルでも同じ過ちを犯していた。偏見、ダメ、絶対。

 

 感想。

 1時間くらいの短い映画だから、バッドなエンドは絶対にあり得ないと分かっていたのだけれど、ハッピーエンドでよかった。幸せなシーンを見ていると「この後にはどんな不幸が待っているのだろうか」と身構えてしまうのだ。幸せは刹那的なものでしかなくて、私たちは基本的に苦しんで生きているという認識を持っているから。

 『あさがおと加瀬さん。』というタイトルからして、緑化委員の山田が加瀬さんが植えた朝顔を見て彼女を偲ぶ……というような、悲しいエンディングなのかと思っていた。「加瀬さんと私は付き合っています。付き合っているんです。……付き合って……加瀬さんは、もういない」という感じの。

 そんなことがなくて本当によかった。

 そもそも、百合と言ってもこれは恋愛映画。男女が恋愛する映画と同じで、二人のすれ違いとか、誤解を解く場面とか、そういうものを描く映画だ。男女の恋愛も百合も変わらない……ということは心に留めておきたい。

 いきなり「加瀬さんと私は付き合っています」で始まるものだから、少し面食らってしまった。私が大好きな、付き合い始めるまでの甘酸っぱい場面を見られると思っていたのに!

 いいや。童貞を貫いてきた私には分からないことだが、付き合い始めてからも甘酸っぱい場面はたくさんある。いっぱいあった。学校で、山田が加瀬さんと話そうとしても、加瀬さんは人気者だから必ず邪魔が入る。それでも三河の言うとおり、「それでも山田はめげないよ」。

 あとは修学旅行の大浴場。加瀬さんのスタイルもよくスプリンターとして鍛え上げられた裸を見て、山田は落ち込む。落ちこんでいる山田の様子を見て、自分が避けられていると思う加瀬さん。次の日はすれ違うけれども、イケメンな加瀬さんは山田を連れ出して二人きりで海へ。山田が「自分のからだがぶよぶよで……一緒にお風呂に入れない」などと告白して、加賀さんは安心する。フラれたかと思った。

 よく分かんねえけど、男が筋肉質な人間を見ると「それに比べて自分は……」となってしまう系のアレだろうか。女の子の感じ方、考え方は分からない。分かるようになりてえよ。

 

 イケメンな加瀬さんが変態チックなのがよかった。山田が緑化委員の仕事をしているのを屋上からガン見していたり、おそらくはマジモンのストーカーで家の場所を分かっていたり、山田の布団に顔を埋めてメッチャにおいを嗅いでいたり。話の本筋とはあんまり関係ないけれど。

 いや屋上からガン見は関係あるか。「ずーっと草むしりする背中だけを見てたよ、振り向いてくれないかなって思いながら。ようやく目が合った」のシーン。

 

 最後に大学進学、離ればなれになってしまうかもしれない話。あそこは鉄板とでもいうべき展開だ。大学に行ってしまうと、本当に地元の友達との関わりも絶えてしまう。今の自分が身にしみて感じている状況だ。「毎日電話するね!」と言っても、だんだん隔日、一週間に一回、隔週と回数が減っていく。

 三河が言っていたように、新しい環境に行く度に、新しい出会いがあって。人によっては、だけどひどい人は使い捨ての人間関係だ。加瀬さんと山田も、離れたら間違いなく……なので、最後は一緒に新幹線に乗れていてよかった。

 

 

 書くの疲れてしまった。

 これからは「百合恋愛もの」であれば積極的に触れていきたいかも。恋愛ものは大好きだから。